シリーズ7作目のこちらは、時間を置いて
最近また読みだした物語だ。
とても面白く興味深い内容のものだったけれど、
なぜか4作目を読み終えたところで、
(とりあえずここからは、読まずにおこう)と思ったのだった。
理由は、自分でもわからない。
たぶん『読むべき時』が、その時ではなく、今と言うことなのだろう。
主人公の亡き祖母が、託され預かっている曰く付きの着物。
その着物の柄の椿の花が落下したり、帯が真っ黒に染まったり
雪を降らせたり、柄の猿が逃げ出したりするのだった。
その背景にある、着物に込められた『人の想い』を
主人公が、周りの助けを借りながらひもといてゆく物語。
これは、あくまでも『お話し』なのだけれど、
物に宿る『想い』や『魂』はあるのでは・・・?と私は思っている。
今回の記事にまつわることだけれど、
子供の頃、亡き母方の祖母が、話して聞かせてくれたことがある。
知り合いの家族が、新しいお雛様を、迎えたのだそうだ。
それに伴い、昔のお雛様は、出番を失くし、蔵の中へ・・・
夜になると蔵から、すすり泣く声が聞こえたのだそうだ。
飾ってもらえないお雛様の悲しみ・・・
私は、祖母のその話に、心底恐れをなし、子供心に
人形・・・すなわち、人の形をしているものには
心のようなものが、入っているに違いないと思ったのだった。
表紙の白鳥からの、今朝の白鳥さんたち。
トップを飛ぶ子のお顔が、グレーに見える。
たぶん、幼鳥だろう。
大人たちに「先頭を飛んでみなさい」と言われたのだろうか。
彼らにも間違いなく『想い』と『心』がある。
(人間がいちばん偉いだなんて勘違いしてはいけない)
と、いつも思う。
ほぼ、真上飛行。
真下で得体の知れない物(カメラ)を構えているのに
避けることなく飛んでくれてありがとう。
心から、そう思う。
ご覧いただきありがとうございます