2016.11.30

category: feel

例えばそれは・・・言葉の海の中

My Books

                     その扉を開けて、その室内に入った途端

                     音は音でなくなるのだ・・・。

                     整然と並んだ本の、夥しい程の枚数の頁に

                     音達が、まるで生まれた傍から次々と

                     吸い込まれてゆくみたいに。

                     図書館へ行くと、ああも他の人の存在が

                     気にならなくなるのは、どういうわけだろう・・・。

                     例えば、同じ棚、かなり近い距離で

                     隣り合って本を見ていても

                     その人は、そこには、いないのだ。

                     空気を伝い、その人の気配は、確かにふわりと薫ってくるというのに。

                     そして例えば、誰かが捲るカサカサという新聞の音・・・

                     誰かがする小さな咳の音・・・

                     貸し出し業務をする司書のたてるパソコンの音・・・

                     それらひとつひとつを、この耳が音として捉えているのに

                     まるでなかったことのように、すぐさま何かに掻き消されてしまうのだ。

                     たぶん、言葉の海の中を、それぞれが、たゆたっているのだ。

                     小さな頃、海に潜ると、海の中にいる自分と

                     水中眼鏡越しに見る海の外の世界が

                     まったくの別物になることが不思議だった。

                     周りで泳ぐ友達の存在を近くに感じながらも

                     自分だけが、遥か遠い世界にいるような錯覚に

                     とらわれてしまう感じ・・・

                     図書館の中は、あの感じに少し似ているかもしれない。

           

                     

                     

                     

                     

                     

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2016.11.28

category: feel

冬彩る記憶

Angel and Piano

                      グレイ色の空・・・

                      木の葉を巻き上げて吹く風の音・・・

                      地面を濡らす冷たい雨粒・・・

                      始まり始めた冬が、窓の外に見える。

                      時折、そのグレイ色の空の隙間から

                      控えめで大人しやかな光が

                      私のいるこの部屋まで届くけれど

                      それも、たちまちのうちに、あっさりと冬雲に掬い上げられてしまう。

                      薄暗い部屋の中、ゲージの中の飼い鳥は、さっきから

                      うつらうつらと眠ることを繰り返している。

                      静かだ・・・とても。

                      少なくともこの部屋の中は。

                      やがて、私は、あの夏の日の、そして、あの秋の日の

                      まるで、物語の中の出来事のような場所にいた私を・・・

                      或いはまるで、魔法にでもかけられてしまったかのような

                      あの甘い数時間を、思い出す。

                      何度も・・・そう、何度でも。

                      まるで、お気に入りの映画を

                      飽きもせず繰り返し見るみたいに。

                      窓の外では、相も変わらず冬の風が

                      音量を上げたまま吹き荒れている。

                      

                      

                      

                      

                      

                      

                      

                      

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2016.11.25

category: feel

その筆にまつわる・・・・・・

My rose and Letter
My Rose
*シュシュ*
*いおり*

                   読書は、普段、主に眠る前に、ベッドの中でしている。

                   主婦やら母やら妻やら、そんな役割を一切脱ぎ捨て

                   ただのひとりの私になって最も集中できる時間だからだ。

                   楽しく、面白く、時には切ない気持ちになりながら

                   その本を読んでいたのだけれど

                   昨夜は、ある一文に心を持っていかれ

                   そのページからしばらく目が離せなかった。

                   一方では、その先のストーリーが気になって仕方がないというのに。

                   手紙を書く際に、添える言葉に脇付というものがある。

                   侍史・・・玉案下・・・机下・・・

                   無論、私は脇付を使うような手紙を書いたことはないのだけれど

                   今回、私が心を持っていかれたのは

                   『御許に』『みもとに』・・・・・・

                   私は、けっこうな数の本も読んでいて

                   言葉がとても好きなのだと、そう自分のことを、思っていたけれど

                   恥ずかしながらこちらは知らなかった。

                   こんなにも美しく、女性らしく、深みのある脇付の言葉なのに・・・。

                   意味は・・・『あなたのおそばまで』『あなたのおそばに』

                   この一言にどれだけの想いを込められるのか・・・

                   或いは、その先の人にどれだけの想いが伝わるのか・・・

                   そんなことを考えていたらキュッと胸を掴まれるような

                   たまらない気持ちになった。

                   そんな私に、今回のこの素敵な一節を教えて下さった

                   師とも呼ぶべきその本は、小川糸著『ツバキ文具店』

                   私の住む県、山形県山形市出身の作家さんのものだ。

                   なんだかそれもうれしい。




                                          *御許にという言葉・・後調べ*
                                           女性宛の手紙に添える という説と
                                           女性が手紙を書く時に使う という説
                                           両方伝えられているようです。

                                           私はもちろん後者が好み。

        




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2016.11.24

category: 日々

焼き菓子日和

バナナケーキ

                    寒い冬は、なぜか無性に焼き菓子が作りたくなる。

                    とは言え、春も秋も気が向けば作るのだけれど。

                    寒い冬に、焼き菓子の佇まいは

                    他のどの季節よりも暖かく見え

                    人の温もりを伝えてくれるイメージがあるからかもしれない。

                    無論、これは私の中の勝手な思いなのだけれど・・・。
 
                    今回焼いたのは、バナナのケーキ。

                    そんなケーキを、じっと見ている彼等は

                    10月に行った、横浜ランドマークプラザ内の

                    ムーミンスタンドよりお迎えしたもの。

                    彼等が見ているので、食べ過ぎには注意しないと・・・笑。

                    やはり、冬には冬の楽しみがある。

                    
                    

  



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2016.11.23

category: 日々

冬忍び寄る窓辺

Piano And Iori
My Rose
*いおり*

                    朝、目覚めると、部屋中に

                    冬の気配が満ちていた。

                    カーテンを開けて窓越しに見上げた空は

                    案の定、どこまでも重たげな冬の色をしている。

                    やがて時間の経つごとに、部屋に

                    やや、ためらうように入り込んできたその光・・・

                    それもまた冬独特のものだ。

                    静かな・・・それでも底知れぬ強さを秘めた冬の光・・・。

                    やがて空から舞い降りてきた雪に

                    私は、思わず身震いする。

                    冬が、始まるのだ・・・また。

                    私は、静かに胸の中に温かな記憶を呼び戻す・・・。

                    

                    

                    

                    

                    

                    

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2016.11.22

category: 日々

無邪気とも言うべきこと

飯盛山公園にて
いつかの公園・・・いつかの私
Photo by Sho

                     
                    今月の初め、長いこと伸ばしていた前髪をバッサリ切った。

                    息子が幼稚園生の頃からだったので

                    額の上に髪がかかるのは、実に15年ぶり以上のことだ。

                    おでこを出すあの髪形は大人の女性らしく見えるので
                    (もう十分過ぎるくらいの大人なのだけれど・・・笑)

                    気に入っていたし、変える気はなかったのだけれど

                    どうしたことだろう・・・急に切りたくなったのだった。

                    なかなか見慣れなくて鏡を見る度に、まるで赤の他人を

                    見ているような気持ちになり、違和感があったけれど

                    ここに来てようやく落ち着いた。

                    そこで、昨夜会社から帰ってきた夫に聞いてみたのだ。

                    「前の私の髪と今のどっちがいい?」

                    「どっちって?前、どんな髪してたっけ?」

                    さっそくすっとぼけた答えが返ってくる。

                    だいたいこの人はいつもそうなのだ

                    作為的なのかそれとも心からそう思って言ってるのか

                    そもそもがわからないのだけど。

                    どさくさ紛れに、ついでに

                    「前の私・・・あなたと付き合ってた頃とか結婚したての
                    頃のことだけど、もっとスリムだったよね?」

                    そう聞いてみる・・・

                    「そうだっけ?忘れたなぁ・・・そんな細かったっけ?」

                    またもやすっとぼけた答えが返ってくる。

                    「前の覚えてないってさぁ?俺っていい奴だろ?」

                    さらに上乗せして、しゃあしゃあと夫は言う。

                    「まぁね・・・前の私が良いとか言われても逆に腹立つけどね」

                    「そうだろ?」

                    結局いつもこうして会話の本来の目的がうやむやになるのだ。

                    まったく本当にあなたって人は、ある意味無邪気だ。

                    ひょっとして、わざと・・・?

                    もしかしたら、彼なりの家庭内に於ける

                    とっておきの処世術なのかもしれない。

 




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2016.11.20

category: 日々

寝待月夜のひとり笑い

ダリアの中に私
いつかのダリアといつかの私
Photo by Sho


                    私は、堪え切れずに思わずクスクスと笑ってしまう・・・

                    小さな灯りのついた寝室で・・・

                    かつて、とても愛していた本を、再び開き読みながら。

                    何しろ思い当たる節に何度も出くわすのだ。

                    (良かった・・・やっぱり今の私だからおかしがることができるんだ)

                    読み進めながら、頭の片隅でそう思う。

                    一昨日記事にした田辺聖子さん著作の本のことだ。

                    ほんの少しでも結婚生活の何たるかを知った今の私だから

                    主人公の彼女に寄り添いながら読むことができるのだ

                    そうも思った。

                    もしも、もっと若い頃・・・例えば結婚したての頃とか

                    或いは、子育てに必死だった頃とか読み返していたならどうだろう・・・

                    一瞬そんな思いも頭をかすめたけれど

                    例えば、その時にページをめくっていたら、今の私のように

                    楽しみながら読むことなんてできなかったような気がする。

                    今度はあまりにも身につまされ過ぎただろう・・・そう思うからだ。

                    何しろ、あの頃の夫と私ときたら喧嘩ばかりだったのだ。

                    似ていないふたりがいっしょに生きていこうとすることは

                    想像以上に容易なことではなく、気持ちが行き違い、衝突ばかりだった。

                    今は、なんだろう・・・・・お互いに対するやさしいあきらめ?(笑)

                    或いは、二人ともようやくここに来て大人になったとか(笑)

                    時が粛々と流れ、年齢もいつの間にか驚くほど重なったけれど

                    それも全然悪くない・・・むしろ素敵なことだ・・・そう思った。

                    

                    

                    

                    

                    

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2016.11.19

category: feel

月浮かぶ眠る部屋

かいじゅうたちのいるところ
モーリス・センダック
『かいじゅうたちのいるところ』



                         ほらね・・・?

                         やはり浮かぶのだ・・・あの月が。

                         君のその部屋にも

                         そして、私の眠るこの部屋にも。

                         でも、君と私の違うところ・・・

                         君が、一年と一日航海して行ったのは

                         かいじゅうたちのいるところ。

                         私はね・・・・・・?
           
                         その時、その場所で、やさしい歌声に包まれて

                         ただのひとりの女の子に戻る夢を見た・・・。








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2016.11.18

category: 本のこと

再びの恋

恋にあっぷあっぷ

                    20代の頃、夫と出会う前から

                    夢中になって読んだ本は、著者のものだった。

                    軽快な関西弁、するすると読めて

                    さらさらと心の中に入ってくる柔らかな文章・・・

                    それなのに、いつでも読後に残るものは深かった。

                    密かに「聖子先生」と慕うほどに好きになり

                    書店に行って真っ先に向かうのは田辺さんのコーナーだった。

                    中でもいちばんのお気に入りだったのは

                    『乃里子三部作』といわれるもの

                    『苺をつぶしながら』『私的生活』『言い寄る』

                    こちらの三冊は繰り返しよく読んだ。

                    どうやら結婚というものは甘いだけではなく

                    苦味や涙の塩気も混じるものらしいということも

                    著者の作品によって疑似体験させてもらったように思う。

                    そして、時が流れ、自分も結婚しそのことをリアルに体験した時

                    あんなにも愛した本達は、もう既に私の手元にはなかった。

                    しばらくの間、実家に置いたままになっていたその本達は

                    (もう読まないだろう)そう判断し処分してしまったのだ。

                    けれど、今こそ、今の私だからこそ『田辺聖子作品』じゃない?

                    最近になってそう思うようになった。

                    同じ本を読んでも、その時の自分によって感じ方が変わる。

                    もう一度静かに灯した本との恋をゆっくり静かに

                    今度は、大人らしく向き合っていきたい・・・そう思っている。

                    

                    



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2016.11.17

category: 日々

扉のない扉



                      「わっ!!いつからそこにいたの?」

                      心底驚いたように、夫がそう言う。

                      食器を洗って、キッチンから戻った私は

                      確かに彼の前を横切ったのだ。

                      歌番組を楽しげに見ていた夫の前を・・・。

                      その近くに腰を下ろし、私はスマートホンを見ていた。

                      インスタグラムの迷いインコちゃんを見ていて

                      そのインコちゃんと飼い主さんの心情を思い

                      (なんとか見つかってほしい)と切なく苦しい気持ちいっぱいで

                      その写真を見つめていたのだ。

                      それで言ったのだった、夫に。
                      「*ルイ*を守らなくっちゃね?」と・・・。

                      彼が聞いてるか聞いてないかは無論どうでもよくて

                      声を発せずにはいられなかったのだ。

                      半ば自分自身に言い聞かせるみたいに・・・。

                      「いつからいたの?ずっといたの?びっくりするじゃん!!」

                      続けざまに夫はそう言う。

                      「キッチンからきてあなたの前を横切ったでしょう?」私はそう言う。

                      あなたがテレビに夢中になりすぎていたのか・・・

                      それとも・・・・・・

                      私はそう言いかけて、おかしくなってしまう。

                      やはり心は自由なのだ。

                      いつでも飛んでいきたい所へ心は飛んでいけるものなのかもしれない。

                      今宵も寝室の窓から夜空に浮かんだ月が見える・・・。

  




いつもありがとうございます
*ルイ*は我が家で飼っているインコのことです。                    

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2016.11.16

category: 日々

窓辺に浮かぶ月

アリッサム
アリッサム
From my garden



                       家事を終え、着替えを取りに上がった寝室・・・昨夜のこと。

                       月の光が柔らかに差し込み

                       部屋は、ほのかに明るかった。

                       月放つその光に誘われるように

                       そのまま灯りもつけず、カーテンを開け放し

                       しばらくの間、月を眺めた。

                       『スーパームーン』と言われた一昨日からは

                       少し欠けた月。

                       流れてくる雲に、時々覆い隠されてしまうけれど

                       その雲の向こう側からでも、静かでも確かな存在の気配を

                       月は、伝えよこしてくる。

                       いつも思うのだけれど、ひとり部屋で、月をただただ見つめていると

                       途端に辺りが、絵本じみた気配を帯びてくるのはなぜだろう・・・。

                       ファンタジックな物語じみるとも言うべきか・・・。

                       自分がその物語の一員にでもなったような気さえしてくる。

                       大好きな絵本にモーリス・センダックの

                       『かいじゅうたちのいるところ』というのがあるのだけれど

                       もしかしたら、あの物語の主人公マックス・・・

                       彼の心情に、少し気持ちが似てくるからかもしれない。

                       

                       

 



いつもありがとうございます                      

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2016.11.14

category: 日々

恋空・・・恋葉・・・恋薫る風


Location:山形*山寺*


                       それは昨日のこと・・・

                       美しく晴れた朝

                       あの清らかな場所・・・・・・

                       気配薫るあの場所へ行きたくて

                       夫にお願いして車を走らせてもらった先は

                       山形市は山寺・・・

yamadera5.jpg

                      美しく色づいた葉たちを眺めながら

                      登った石段・・・1070段。

yamadera2.jpg

                      こんな光景を見せられると

                      日本人で良かったとつくづく思ってしまう

                      それは、それは美しく風情ある風景。

                      それと同時に・・・・・

yamadera4.jpg

                      自然が織り成すこの世界観には

                      到底、人間には敵うものではないとも思ってしまう。

                      この色使いは決して作為的ではないのだ。

                      だから尚のこと、何度見ても感心し、感動してしまう。

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Photo by Sho

                       
                      深まり始めた秋の一切合切を、無視したかのように

                      冬へと一気に連れて行かれてしまったあの日・・・

                      (今年はもう秋を楽しめないのかな・・・)

                      そう思ってもしまったけれど・・・・・・

yamadera7.jpg
Photo by Sho


                      目に映る・・・手に触れる・・・髪揺らす・・・

                      そのすべてに面影辿り、面影探す・・・

                      恋空・・・恋葉・・・恋薫る風・・・・・

                      穏やかに晴れ、温もりに溢れた

                      思いがけない程のとても幸せな一日になった。 

                      

                   

                   

                       



                       

                      

                    

                      

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2016.11.12

category: feel

やわらかな記憶



                       日々・・・・・・

                       私は、前を向いて生きている。

                       けれど・・・・・・・・






                       その愛しい思い出なら

                       そっと胸に

                       抱きしめたままで

                       いてもいい・・・・・。









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2016.11.11

category: feel

やがてこの心の空を巡るもの


*いつかの冬の海*


                 冴え冴えとした夜空に浮かんだ三日月が微笑む中

                 昨日、車の中から見上げたバイパスの気温計は、5度を表示していた。

                 (もう冬だ)そう思う。

                 (もちろんまだ雪は積もらないでいてほしいけれども)

                 誰にともなく、やや慌ててそう付け足す。

                 だけど、この季節の良いところは

                 すべてのものの輪郭がはっきりすることだ・・・そう思う。

                 或いは、生きるということのシンプルな意味を思い知らされるのだとさえも。

                 例えば、温かな部屋がどれほど心地良く

                 幸せなものかと知るのもこの季節だし・・・
                 (それは夏にクーラーの効いた部屋を快適と感じることとは違うことのように思う)

                 そして例えば、大切で大好きな人達の存在が

                 自分の中でさらに際立つのもまたこの季節なのだ。

                 植物たちが眠りにつき、外が徐々に色彩を失い

                 どんなに寒々とした景色を見せても

                 自分の中には、こんなにも温かな存在の気配で満ちあふれている・・・

                 それを思い知らされるのがこの季節なのだ。

                 必要なのだ・・・どうしたって冬が。

                 すべてのものの温もりを抱きしめるために・・・・・

                 そうできることの幸せを噛みしめるために

                 冬はとても大切な季節なのだ・・・そう思う。


                   

                   

    

               

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2016.11.09

category: 日々

冬奏でる音

at Domon

                    ファンヒーターの作り出すしゅうしゅうという音・・・

                    温かなコーヒーが体中に染みわたる朝・・・

                    私は、飽きもせず何度でも驚くのだ。

                    (本当に・・・まったくいつの間に季節が変わったのだろう)

                    時折、陽の光がブラインド越しに差し込むけれど

                    窓の外からさっきから聞こえてくる風は、せっかちにも

                    もう既に冬の音色を奏で始めている。

                    音色・・・・・・・・・・

                    私は不意に、あの日の、そして、また別のあの日の

                    私自身を自分の中に呼び戻す。

                    大好きな人の紡ぎ出す音に

                    心も、そして体ごと満たされたあの日の私を・・・・・・

                    心震わせずにはいられなかったあの日の私を・・・・・・

                    冬は、どうしたって体を部屋の中に押し留めるけれど

                    心はその時に自分のいたい場所に、いつだって飛んでゆけるのだ。

                    ブラインド越しに見上げる空に

                    さっきからスピードを上げて行き過ぎる雲が見える。

                    

                    

                    

                    

                    

                    

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2016.11.07

category: 日々

川辺の秘密




                  『それは想像も及ばないほど甘美で神秘的な光景だった』
                          バーネット作 *秘密の花園*より。

                                  ♪

                一瞬、あの大好きな物語の中にワープしてしまったのかとさえ思った。

                まったく想像すらしていなかった花園が

                突如として、目の前に現れた時の驚きとときめき・・・。

                きっと主人公のメアリもこんな気持ちだったのかもとさえ思った。

                本当は、白鳥達に会いに行ったのだった。

                彼等はたぶん、田んぼに落ち穂拾いに行っているだろう・・・

                そうも思ったのだけれど・・・。

                案の定、彼等はただの一羽もおらず

                その代わり可憐なコスモスが、冷たい風に健気にも揺れていたのだった。

                あの山のコスモスも、街中のコスモスも、

                もうとっくに次の世代へとバトンを渡し終えたというのに。

Ry 20161106

                 たぶん今季ラストの花園。

                 思いもかけていなかった贈り物・・・

                 いずれこの場所も、やがて雪の華たちが覆い尽くすだろう。

                 私は、いっしょに来ていた娘を・・・・・
Koto201611061.jpg

                 娘は、私を・・・・・・

                 女ふたりで撮りっこした。  

                 季節は移ろう・・・あきれる程律儀に・・・。

                 つい先日まで半袖を着ていたような気がするのに

                 私の首元には、もう暖かなマフラーが巻かれている。             







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2016.11.05

category: feel

空から降るアリア

My Rose
My Rose
*ミステリューズ*

      
                    今日は少し暖かな日だった。

                    夕方、庭の花達の様子を見ながら見上げた空に

                    白鳥達の姿を確認する。

                    美しく優雅に・・・或いは見事なVの字型を

                    空に描きつつ飛ぶ彼等を見ていると

                    なぜだろう・・・・・

                    心の中にある泉のようなものが、しんとなるのだ。

                    真白で美しい羽根は、いつ見てもとても優雅だ。

                    (アリア・・・・・そうだ今日はG線上のアリアが聴きたい。)

                    目に白鳥達を映しながら、急にそう思い立つ。

                    クラシックはほとんど聴かないけれど

                    この曲は大好き。

                    柔らかで流れるような曲調が、とても心地良い。

                    そう・・・・・・日々、いろいろな事があったとしても

                    心の奥底にある泉は静かに保つべきかもしれない。

                    心を静かに・・・・・・・・

                    アリアのリズムで眠る夜・・・・・・。

                    

                    

    




いつもありがとうございます                

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2016.11.04

category: feel

呼吸する思い出

koto in Turuoka Park
Photo by Sho
location:Turuoka Park

            
                    
                      日々、さらさらと流れゆく時の中で

                      振り返る時間さえ惜しむように

                      私は、生きている。

                      妻・・・母親・・・主婦・・・

                      普段の役割をこなすのに精一杯で

                      かつて、自分がただのひとりの女の子であった事実など

                      まるで空の彼方に、放り投げ返してしまったみたいに。

                      だけど、突然眠りから揺り起こされたみたいに

                      こうして、そのかつての想いが体中を巡り

                      頭の中のスクリーンに自動再生される理由は

                      きっと思い出は、今も私の中で生きていて

                      静かに密やかに呼吸を繰り返しているからだ・・・

                      そう思った。

                      そして、今でも私を見守ってくれているのだとも。

                      
teacher word

                      そんな思い出に、まるで手招きされたみたいに

                      数年ぶりに開いた高校の卒業アルバム。

                      密かに憧れていた国語の先生からの寄せ書き。

                      あの日の涙と、私はずいぶんたくさんの愛に

                      包まれていたことを思い出す。

                      そして、改めて気づいたのだ。

                      その愛達は今の私に密かにバトンを渡し繋ぎ続けてきたことも。

                      

                      
                      

                     

 



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2016.11.02

category: feel

追憶の霜月

My way3
ルビだらけの私の宝物の楽譜
貼ってある大好きな人達の
小さな写真はお守りだった。



                   「琴美がイメージにぴったりだから琴美に弾いてもらおうよ?」

                   すべては、クラスメイト達の無茶ぶりとも言える

                   その台詞から始まったのだった。

                   一年に一度、秋深まった頃の11月に行われる

                   高校時代の全学年クラス対抗の合唱コンクールのピアノ伴奏者の話だ。

                   もちろん私はピアノに対しては全くの素人・・・

                   「イメージですって?!譜面さえまともに読めないというのに?」
                   「この私が、弾けるわけがないでしょう?」
                   「吹部の誰かに頼めばいいじゃないの?」

                   散々そんなことを言いながらも、私は内心うれしかった。

                   憧れの大好きなあの方のキーボード・・・

                   お揃いとも言える真っ白な鍵盤・・・ピアノの美しい音。

                   自分に都合良く頭に浮かべたイメージは消えなかった

                   私は結局3年間ピアノ伴奏を引き受けたのだった。

                   弾けないというのに・・・譜面さえも読めないというのに。

                   早朝の音楽室・・・お昼休みの音楽室・・・

                   放課後のひんやりとした体育館・・・ステージに設えられたピアノ。

                   ある日は、音楽の先生に頼みこんで・・・

                   またある日は、ひとりで・・・そしてまたある日は、親友を傍らに

                   練習した・・・それはもう必死に。

                   そしてある日は、泣きながら。

                   テスト勉強にさえこんなに必死になったことはないだろう・・・それ程までに。

                   1年生の時は惨憺たる有様だった・・・

                   2年生の時は、まさかの奇跡・・・優勝した。

                   そして、最終学年3年生・・・

                   皆の意気込みは最初から熱かった

                   前年に引き続き優勝して、有終の美で高校生活を飾りたい・・・

                   それは、クラス全員の願いと目標だった。

                   選曲は『My Way』クラス全員一致の魂の込もった選曲。

                   いつもに増して練習した・・・その分、涙の量も多かった。

                   指揮者は、共に3年間務めた、吹奏楽部所属のT君だった。

                   音楽に知識のあった彼には、ずいぶん叱られた。

                   けれど・・・・・あの日・・・

                   本番、ステージに上がる直前、緊張して震える私に歩み寄り

                   彼はこう言ったのだった・・・

                   「俺を信じてついてきてくれたらいい、そして皆を信じろ」

                   緊張感マックスだった私は、彼のその一言に

                   たちまちの内に救われたのだった。

                   そう、私ひとりで戦っているわけじゃない・・・

                   君がそばにいて・・・そして皆がいるのだ。

                   結果・・・・・私達は念願叶って優勝したのだった。

                   霜月・・・追憶の思い出は、甘く、そして少しだけ切ない。

                   

                   

                   

                   

                   

                   

                   
                   

                                     
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琴美

Author:琴美
私の写真と言葉で綴る
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ミムラ姉さんのこと

プロフ画像のミムラ姉さんのお人形は 息子に買ってもらったもの。

心の声をちょっとだけ

ルイは出窓で日向ぼっこ。 野鳥さんの鳴き声に反応して 興奮気味です(笑)

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ふわふわふわり・・花・・咲いた

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